第47回岩手県勤労者山岳連盟総会
開催日 2017年3月5日(日)
会場:花巻市交流会館

2017年度岩手県勤労者山岳連盟活動方針

 1 はじめに 

 安倍政権は一昨年9月の安全保障法「戦争法」の強行に続き、昨年の末「TPP」の批准や「年金ゼロ法案」「カジノ法案」などを強行しました。また「残業代ゼロ法案」や「残業時間規制の緩和」なども成立を狙っています。加えて「戦争法」の成立後、テロ防止を口実にした「共謀罪」の創設も危惧されます。
 大企業優先のアベノミクスは国民生活の貧困と格差を助長し、年金引き下げによる高齢者負担増や、長時間労働や低所得による青年層の労働条件の悪化で、「権利としての登山」が脅かされてきています。さらに原発の再稼働や南アルプスの自然を破壊するリニア建設など、国民の反対の声に耳をかたむけない政治が横行しています。
トランプ政権の誕生で「排外主義」や「アメリカ第一主義」が掲げられ、安倍政権による「TPP批准」は今後予想される二国間経済協議で更なる譲歩を迫られる可能性があります。「労山特別基金」など共済・互助制度への攻撃が強まることが懸念されます。

 2 連盟組織の拡大強化 

 昨年の11月末の組織調査では、会員数は300人を下回り290人という組織状況でした。山ガール等のファションを重視した登山愛好者の台頭など、自然と親しみたい山に登りたい欲求は多様化し身近に存在していると思われます。安全登山の普及啓発と会員拡大を目的に昨年で第5回目を迎えた初級登山教室は、なかなか応募者が少ない状況もあり、開催の有無も含めてその持ち方について理事会で検討します。
所属会やその会員のスキル向上につながる技術講習会や基礎的な講座等は、今年も開催します。

(1)常任理事会を定例開催、専門部・委員会活動の強化

 常任理事会及び専門部・委員会の開催については、今まで同様に意見交換ができるよう努めていきます。常任理事会は会長、理事長、副理事長、事務局長、事務局次長及び内陸6団体(盛岡山友会、いわて生協山の会、アウトドアを楽しむ会、花巻山友会、胆江勤労者山岳会、RoundAdventureMorioka)と釜石勤労者山岳会の理事で構成します。担当・委員会活動に理事のほかに、各会から熟練者の参加を求め活動の強化をはかります。

(2)加盟団体間の交流の促進とネットワーク強化

 県連交流山行として実施している山行の内、雪山交流山行は4/23(日)焼石岳の山頂を目指すこととして、胆江労山を主管として実施します。
 混まない平日をねらったお花観賞山行は、主管を「アウトドアを楽しむ会」で担当しコース等の決定をし理事を通じて各会に通知します。(日程・山域は未定)
 昨年で11回目となった合同県外遠征山行ですが、拡大理事会において神奈川県の丹沢山塊の縦走が案として出されています。9/16(土)-18(月):9/15(金)夜出発。
 奥羽ブロック協議会の交流山行は、今年は青森県連が主管です。6/24(土)-25(日)に北八甲田で行います。奥羽ブロック協議会の会議は、今年は岩手県連主管で開催します。

(3)震災復興支援活動の取組み

 被災会員(花巻山友会2名)について、引き続き連盟費の減免を行います。震災後6年となり、当初の緊急的な支援と質も量も変わってきています。拡大理事会の討議では平成30年を一応の目安としたほうがいいのではないかとの意見もあり、被災地の状況を確認した上で今後の在あり方を検討します。

(4)東北・奥羽ブロックの交流

2月の全国連盟評議会の空時間に開催した両ブロック連携会議で確認された事項に基づき、昨年に引き続き両ブロックの交流山行を7/8(土)-9(日)山形県と秋田県にまたがる鳥海山で実施します。これは、活動が停滞ぎみの山形県連や秋田県連の支援を目的の一つとするものです。そのほか、クライミングレスキュー講習会や冬山交流山行などに取組ます。

 3 山岳事故の防止と遭難対策進 

(1) 計画書及び報告書の提出の徹底

計画書及び報告書の提出は事故防止対策の第一歩であることを踏まえ、遭難対策担当者会議などを通じて各会における山行管理の徹底と充実を要請します。特に、計画書は事故の未然防止と遭難事故時の迅速的確な対応に繋がること、また、報告書は経験の共有で山岳会の力量向上に繋がることを再認識するよう啓発に努めます。

(2) 特別基金の取扱い

全員加入を原則とし、各加盟山岳会を通じて制度の中身の周知を図ります。基金の給付には計画書の提出が前提条件であることと、事故発生時に第一報を直ちに行う(1ヶ月以内)必要があることを徹底します。

(3)教育活動の充実と遭難救助体制の確立に向けた取り組み

@ 遭難対策担当者会議の開催
 遭難対策担当者会議を開催し、全国連等の遭難事故事例や各会の事故・ヒヤリハットから、県連として取り組むべき課題を明らかにするとともに、県連の年間計画に基づく教育・訓練で重点的に取り組む事項を決定します。
A 捜索救助訓練の実施
 年度当初に、各会の推薦に基づき県連救助隊を再編成するとともに、山岳遭難事故の捜索救助の現状に即した行動マニュアルの作成で救助隊の対応能力を高めていくため、遭難事故を想定した机上学習と実地訓練を実施します。
B クライミングレスキュー技術講習会の開催
 これまで3期の講習会を行い、クライミング技術の向上、救助技術の普及、ツール&装備の平準化が図られております。東北の地にありながら、安全面及び救助技術では先端を走っていると自負出来ます。これらは、クライミングレスキュー技術講習会が契機となって、岩手県連内はもとより他県連も含め情報交換、交流(前年度 岩手、宮城他県交流実績8回)が図られた成果であります。今後も講座内容のレベルアップを図り危急時に対応出来る人材の育成に努めていきます。
C スキルアップ講座及び雪崩講習会の開催
 これまでのセルフレスキュー基礎講座は、セルフレスキューが自己(個人)レスキューの意味であることから、名称をスキルアップ講座に変え、これまでどおり事故の未然防止やチームレスキューも含めた緊急時の対処を学ぶ内容で開催します。また、雪崩講習会は例年どおり、初級と中級に分けて開催し、中級受講経験者には補助講師を担ってもらいます。なお、予算の財源は、全国連の講習会補助金(雪崩15万円、その他10万円)を活用し、不足分は参加費で補います。
D 国立登山研究所への派遣
 県連として、最先端の登山知識と技術を備えた講師を養成するため、各会から推薦を受けた会員を国立登山研修所の講習会に派遣します。

 4 山岳自然保護活動の推進 

(1)第34回岩手県登山者自然保護集会の開催
 5月20日10:00〜12:00に設定し、いわて生協ベルフ仙北で開催します。「葛根田地熱発電の環境への影響」を環境と温泉資源に及ぼす地熱発電の影響という観点から考えます。出来ればさらに自然保護活動に対する協力や報告を促すような活動をしていきます。

(2)早池峰山のシカ目撃情報提供への協力
 県は、シカ生息数や分布状況を把握し対策を立てる為に、平成21年度からシカ目撃情報の収集を制度化しています。平成27年には収集ボックスの設置で55件の情報が有りました。貴重な高山植物を、後世に残すためにも協力して行きます。場所、時刻、頭数、わかる範囲でオス・メスを県自然保護課、投函箱(5箇所)や県連への報告を各会にお願いします。

(3)山岳自然のモニタリング
 震災から6年経過し、放射線量調査は低くはなってきていますが、定点観測として時期・場所を確認しながら実施します。

(4)清掃登山
 全国に呼応して6-7月にクリーンハイクを実施するよう各会に呼びかけます。私たちの活動によって、登山道はきれいになってきていますが、登山道に至る林道や周辺への不法投棄や山菜取りによるゴミなど、清掃範囲を広げてクリーンハイク活動を行いましょう。

(5)その他
 早池峰地域保全対策事業推進協議会の「シカ対策部会」・「早池峰山頂避難小屋あり方検討部会」で、県連の意向を反映していきます。早池峰のユネスコ・エコパークの情報発信を行い環境保護について考えます。

 5 他団体及び行政との連携 

釜石労山も参加する「五葉山石楠花荘改修促進協議会」市川会長(釜石山岳協会顧問)は老朽化した避難小屋改築に向けて署名、募金活動や「使いやすく自然に配慮した山荘」建設に向けて管理者の釜石市や関係自治体に昨年同様働きかけを行っていきます。
当面の行事は以下のとおりです。
@5月28日 五葉山フォーラム(釜石情報交流センター)
A7月2日「五葉山登山――石楠花荘をめざそう」

 6 女性委員会活動 

 2017年は労山女性委員会創設40周年記念集会として「第8回女性と登山全国集会」が開催されます。岩手県連からも多くの会員が参加するよう各会に呼びかけるとともに、、女性と登山、女性委員会の役割などを再認識し、県連活動に生かしていけるようにします。
 山行前後の体操に取り入れるなどして、山筋ゴーゴー体操の普及に取り組みます。

 7 情報交流の活発化 

(1)全国連のホームページの閲覧・活用及び各会のホームページの活用

(2)登山時報の購読のよびかけ
 登山時報の購読増の呼びかけとともに、掲載される情報・投稿の呼びかけを行います。

 8 連盟活動の財政的措置 

会計の「東日本大震災義援金等」の名称について、昨年度は台風10号被害にも拠出していることから名称を「ボランティア等活動基金」に改称します。