登山文化の発展に逆行する安全保障関連法案の廃案を求める声明

2015年9月1日
岩手県勤労者山岳連盟常任理事会

現在、国会で審議中の「安全保障関連法案」は、集団的自衛権の名の下で、自衛隊が海外で武力を行使し、請われるままに米軍の戦争に参加できるようにするものであることが明らかになってきました。そもそも集団的自衛権は、歴代内閣が違憲として行使を認めてこなかったものです。

 ところが、昨年7月に、現内閣はこれまでの集団的自衛権の解釈を捻じ曲げて閣議決定で合憲とし、今国会に10本を超える安全保障関連法案が提出されました。この法案には、憲法学者の9割以上が違憲と表明し、元内閣法制局長、日本弁護士連合会など、多くの知識人、文化人、団体が反対し、廃案とすべきことを表明しています。

 岩手でも法案反対の行動が沸き起こり、7月には全国に先駆けて県議会で「廃案を求める意見書」が採択されるとともに、知事選では現知事が法案反対を表明し、自公が押す対抗馬を立候補辞退に追い込むなど、この法案に対する県民の疑念や怒りが拡大しています。

 日本勤労者山岳連盟(以下「労山」という。)でも、京都府連盟常任理事会の反対決議(7月27日)をはじめ、地方連盟から労山の趣意書に沿った意思表明や全国連盟への要請が出され、去る8月25日には、全国連盟理事会から「憲法9条を守って戦争しない日本を継続させ、登山文化を守るための声明」が出されました。

 労山の趣意書には、「すべての国民は、人間らしく成長し、人間らしく生きる権利を持っている」こと、「登山をはじめ文化・スポーツは、その権利の重要な構成部分である」こと、登山を文化として多様に発展させるには、「風土、言語、習慣などの異なった国々での登山を通じた親睦・交流の広がり」が不可欠であり、そのことが「国際連帯の精神を育てる」こと、したがって「確固とした世界平和」は登山文化発展の基礎であることが述べられています。これこそが世界に通用する「積極的平和主義」ではないでしょうか。

 労山の趣意書に賛同し結成した岩手県勤労者山岳連盟の常任理事会として、全国連盟理事会の声明に呼応し、登山を通じて人間が人間らしく生きようとする権利を脅かし、戦後70年間の平和の礎である憲法を顧みず立憲主義を否定する安保関連法案に反対し、即刻廃案にすべきことを求めここに表明します。

以上